アメリカの経済対策

2016.12.23 Friday 10:44
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    南大沢日記

     

     

    アメリカの経済対策

     

    American House アメリカの家

    American House アメリカの家

     

    2010年9月29日から一週間、ロスアンゼルスに行ってきた。毎年2回のアメリカ旅行は恒例となっている。着いた週の月曜日は華氏113度(摂氏44度)を記録したという。カルフォルニアは日本と違い乾燥しているので湿気の多い日本の44度とは違うが、それでも市街では初めてのことだという。日本も2010年の夏は猛暑だったので、世界中異常気象になっていることは間違いない。

     

    アメリカも日本と変わらず、不景気風が吹いている。6ヶ月前には大型家電店だった店が、今回行ってみるとスーパーマーケットになっていた。ところが週末のファミリーレストランのブランチは大変なにぎわいで、何処が不景気なのかと目を疑ってしまう。日本もファーストフード店は不況しらずと聞く。

     

    夕方、ニュースをみているとコンベンション・センターに朝から珍しく大勢の人がつめかけて、長蛇の列をつくっている。彼等は家のローンが払えなかったり、2〜3ヶ月延滞していて、このままだと家を失ってしまう人達だ。プライムローンやリーマンショック、様々な問題が起こるなかでレイオフされたり、職を失うアメリカ人が増えている。

     

    この人達を救済するために9月30日から数日間、国が銀行と交渉し救済対策を講じたのだ。例えば、10年前に家を購入した人の金利は5%だったが、今は2.5%から1.5%になっている。それに家の価値も以前よりも下がっているので銀行と話し合い、現在の家の価値に見合った支払いと金利の見直しをすることによって、毎月のローン額を下げ、家を失う人々を救おうという作戦だ。

     

    家がフォルクロージャー(差し押さえ)になってしまうと、ますます不景気におちいるからだ。インタビューされた主婦は「これで、毎月1千ドルもローンが減って、家を失う心配がなくなりホットしています」と答えていた。

     

    日本の新聞には、今日も競売物件の知らせが載っている。日本政府も、こんな粋な計らいをする国家になったら競売にかかる家も減り、ローンの支払いに困っている人々を少しでも助けることが出来るのではないかと思った。

     

    文:吉田千津子 写真:奥村森

     

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    かけがえのない友人の死

    2016.12.23 Friday 10:16
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      南大沢日記

       

       

      かけがえのない友人の死

       

      Pappy

      Pappy

       

      2009年6月、私はかけがえのない友人を失った、100歳だった。彼の名は、Percy Becker。みんなは、彼をPappy(パピィー)と呼んでいた。彼と知りあったのは、30年以上も昔、ロサンゼルスと日本を仕事で忙しく飛び回っていた頃だ。

       

      ある朝、「ハァーイ」と声をかけてくれたのがベッケル夫妻だった。2人ともネブラスカ出身、とても気さくで話し好きだった。すでに退職して年金暮らしだったが2人の生活はとても楽しそうで、私も老後は彼らのような人生をすごしたいと何時も思っていた。

       

      1年のうちの3〜4ヶ月はキャンピングカーに乗ってアメリカ全土を旅行。行く先々で沢山の友人を作っていた。ロスアンゼルスの自宅にいる時も、朝からスケジュールがいっぱい。決してボーッと座ってテレビなどを観ない。

       

      朝の運動は2人で近所を一周して、前庭に投げ込まれる新聞を各家の玄関のドア前におく。アメリカの新聞配達は車の窓から玄関めがけて投げるからだ。日本のように丁寧にポストに入れてはくれない。アメリカの新聞は日本のものよりぶ厚く、新聞受けに入らないからだ。

       

      パピィーが退職したのを期に妻のビューラも主婦業を退職、朝、昼の食事は各自が作り、夕食はビューラが作るのだ。パピィーの朝食は何時もオートミールと果物。昼食は前夜に残ったミートボールサンドなどを食べていた。妻のビューラはガールスカウトの連中と昼食だ。

       

      生活は質素そのもの、そして毎週木曜日が買出しの日。木曜日は、新聞のフード欄に添付されるクーポン券が利用できるからだ。彼はそれを丁寧に切り抜きスーパーマーケットへ持って行くと、何セントか割引される。ダブルクーポンの日に重なると、それが2倍となるからたまらない。その日を待っているアメリカ人は相当多い。パピィーもその中のひとりで「ごらん、今日は5ドルも倹約したぞ」とレシートを自慢げに私に見せるのであった。

       

      お気に入りのワーゲンも全て自分の手で整備をするし、2〜3年に1度は家の内外の壁をペンキで塗りかえる。屋根の修理、台所、浴室のリフォームもお手の物だった。私には彼がスーパーマンに見えた。アメリカでは人件費が高いので、なるべく人に頼まず自分でする人が多い。

       

      我が家の雨漏りがひどくなり、パピィーと一緒に屋根に登りコールタールと格闘しながら修理したことを思い出す。彼の自慢は、子供のころから病気ひとつしたことがないことだ。処方箋の薬も飲んだことがないし、入院もしたことがない。

       

      何時も考えがポジティブで、私が必要なときには必ず助けてくれた。その頃、私はアメリカ人の夫との離婚問題もあり、最高の相談相手だった。自分の父より身近で、いろいろな話をした。その後アメリカに行った時には、必ずパピーの家を訪ねた。

       

      娘のバーバラによると亡くなる3日前まで元気で散歩し、最後の2日だけ病院に入ったと聞いた。彼の最初で最後の入院だった。

       

      文:吉田千津子 写真:奥村森

       

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      悲しいモラルの低下

      2016.12.22 Thursday 17:39
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        南大沢日記

         

         

        悲しいモラルの低下

         

        010

         

        長年使用していた携帯電話のバッテリーが弱り、充電できなくなったので買い換えることにした。店を訪ねると店員が「無料で音楽が聞けるOOサービスをオプションで付けましょう」と言う。私は「そんな機能は必要ない」と断った。電話やテレビで音楽を聴くのは邪道だと思っているからだ。

         

        「電話は単なる通信機器だからいらない」と私が何度言っても、彼はしつこく引き下がらない。そして「3ヶ月間は無料ですから、必要がなければ3ヶ月後においで下されば契約解除できます」とスッポンのように食いついて放さない。

         

        とうとう根負けして、その勧めに乗ってしまった。冷静に考えると、あの時もっと強行に断れば良かったと思うが後のまつり。3ヶ月経って店を訪ねると「2ヶ月間は無料とは言ったが、3ヶ月間とは言っていない」と嘘ぶく。請求書には、すでに料金が自動引き落としされている。

         

        「これでは詐欺ではないか、たとえ小額だとしても嘘をついて客を騙すのはよくない」語気を強める。店員は「誤解を与えるような説明をして申し訳ない」とまるで私が理解力の足りない人間だといわんばかりである。

         

        その嘘が証明されたのは、「私は忘れっぽいから、3ヶ月後に解約と書いておいて」と購入時に、彼から一筆書いてもらった領収書が残っていたからだ。それでも私の聞き間違いだと譲らない。その態度がますます癇にさわった。「はっきりした証拠があるのに非を認めない、こうなったら出る所にでましょう」。さすがの彼も「売り上げを伸ばすために嘘をついてしまった」と詫びた。

         

        最近よく感じるのだが、自分の失敗を人のせいにする人が多い。「こんな事件を起こしたのは親のせいだ、こんな結果になったのはあの人のせいだ」と何でも他人の責任にして謝らない。そういう不届きものが、どんどんと増殖しているのが悲しい。

         

        文:吉田千津子 写真:奥村森

         

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        言語

        2016.12.22 Thursday 17:12
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          南大沢日記

           

           

          言語

           

          Bamboo 竹林

          Bamboo 竹林

           

          楽天やユニクロが社内公用語を英語にすると発表して話題になっている。日本人は、どちらかというと外国語アレルギーだと思う。それはヨーロッパのように隣接した国がなく、島国で隔離されているからかも知れない。

           

          私は人生の半分を海外で暮してきたおかげで、英語とポルトガル語を話すことが出来る。しかし、今回ニュースになった楽天やユニクロでの社内英語公用語については、ちょっと違うような気がする。この2社の内のどちらかは忘れたが、2年以内に英語をマスターしないと首になるという話も聞いた。果たして英語ができると、その人は世界に通用するグローバルな人間なのだろうか?

           

          グローバルな人間とは、異文化の違いを互いに理解し合って共生できる人のことであり、言語を話せるだけの意味ではない。ただ言語を話せるだけでは片手落ちのような気がする。まずは、日本人として日本語、文化、歴史を勉強して、ちゃんと日本人として確立された人格形成ができてから、他の言語を学ぶほうが良いと思う。国籍の分からない根無し草の人間を作ってもどうしようもない。

           

          海外に住んで、つくづく思うのは、いかに自分が日本のことを知らないかということである。日本好きのアメリカ人から色々質問され、あたふたとして困ったことがあり、自分の不勉強を恥じたものだ。言語というものは、単に伝達の道具であり、その背後にある生活、文化、考え方などを理解することによって、やっとその言葉が完成するのだと思う。

           

          テレビで英語の出来る幼児が得意そうに、脳のシステムを英語で外国人の先生と質疑応答していたが、あれはただの言葉遊びで脳のシステムを理解して話しているわけではない。勿論小さい子供の脳はやわらかく、吸収力や好奇心が旺盛なのは理解できる。だが、憶えるのも早いが忘れるのも早いのである。

           

          最近、若い人達の国語力や常識のレベルが低下しているように感じる。私の姪が、小学一年生になった時、その教科書のうすっぺらい事、私の子供時代と比べると比較にならない。日本語の教育をないがしろにして、外国語を学んでも二兎を追うものは一兎も得ずになるのではと危惧する。

           

          文:吉田千津子 写真:奥村森

           

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          公衆電話

          2016.12.21 Wednesday 11:16
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            南大沢日記

             

             

            公衆電話

             

            Stanton Av

            Stanton Av. Glendale スタントン通り グレンデール

             

            1989年、長年住みなれたロスアンゼルスから帰国したとき、電話が必要となり(その頃、携帯電話はまだ普及していなかったので家庭用電話だった)、近所の家電量販店に買いにいった。私はシンプルな電話機が欲しかったのだが、そのようなものは1台もなかった。

             

            すべての電話機には、ボタンがやたらと付いて煩雑きわまりない。店員に「話をするだけのシンプルなものはないの?」と尋ねても、「何を言ってるんだ、日本の電話機はこうなんだ」と馬鹿にされた。腹が立ったので彼に「それじゃ、この機能を全部使いこなせる人はいるの?」と聞いてみた。すると、「イヤ、それはいないでしょう」との返事。

             

            必要ない人には余計な機能をつけず、シンプルなものを作ったらどうなのだろう。その時は仕方なしにボタンの少ない安価なものを買ったが、それでも2万6千円もした。値段もアメリカに比べたらベラボウに高い。

             

            日本人は金持ちだなと思った。その頃、アメリカの電話機は20ドル位から購入でき、日本円にして5000円も出せば良いものを買うことが出来た。勿論日本の電話機のように多機能ではないが、シンプルでとても使いやすいものであった。

             

            以降、毎年ロスアンゼルスを訪れているが、改めて電話代の安さにビックリする。私が住んでいた頃には、日本はアメリカの4倍の電話料金であったことを思いだす。今回5ドルのテレホンカードをチャイニーズ・マーケットで購入したら、これでアメリカから日本に2時間50分もかけられるのである。

             

            このテレホンカードは地域別になっていて、アジア、ヨーロッパ、アメリカ国内、アフリカなど様々な種類がある。自分がかける地域カードを買えばよい。日本も以前から比べると安くなったが、まだまだ高いのが実情だ。毎日の生活費は安いにかぎる。

             

            話は変わるが、ある事件をきっかけに100歳以上のお年寄りが多数行方不明になっていたのが判明した。朝日新聞(2010年8月13日付)によると279名もの不明者が見つかったという。長寿国と称された日本は、このような現実みのない統計の上に成立っていたことが暴露された。真実を知れば、世界一の長寿国と浮かれている場合ではない。今こそ、基本を大切にした社会づくりが必要なのではないか。

             

            文:吉田千津子 写真:奥村森

             

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            のら猫

            2016.12.21 Wednesday 10:50
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              南大沢日記

               

               

              のら猫

               

              Ayumu Stray cat あゆむ オス 2ヵ月半 野良猫 「保護猫広場ラブとハッピー」 東京都日野市南平

              Ayumu Stray cat あゆむ オス 2ヵ月半 野良猫 「保護猫広場ラブとハッピー」 東京都日野市南平

               

              我家では猫を一匹飼っていた、名前は「タヌー」。ちょっとフランス語きどりでつけた。本当はタヌキ顔をしていたのでタヌキにしようと思ったが、それでは余りに可哀想なのでキをとってタヌーとなった。

               

              1994年のある夏の夜、タヌーは、当時世田谷にあった我家に客人と一緒に現れ、そのまま居ついた。正真正銘の野良出身である。野良猫を見ると、ほっておけない性分は子供の頃から治らない。我家には何時も色んな動物が拾われて来た。犬、猫はもちろんのこと一度は弟が近所の広場から子ヤギを拾ってきて母が困っていた。

               

              タヌーのあとも次々と猫を拾った。病気になり捨てられたブランド猫が多かった。雪が降った寒い朝、草むらにうずくまる灰色の猫を見つけた。ロシアン・ブルーで、目やにだらけでショボショボの目がつぶらな瞳になるようにとの願いをこめ「ツブラ」と命名した。

               

              年老いて歯もボロボロ、猫エイズにもかかりガリガリに痩せて食欲もなかった。近所の獣医さんに毎週点滴をしてもらったが、そのかいもなく半年後に死んでしまった。次の猫はシャム猫、夏の暑い日にノミだらけで瀕死の状態だった。何とか猫好きの郵便屋さんから、わずかなキャットフードをもらいながら生き延びていたらしい。郵便屋さんに感謝の気持ちを込めて「ポスト」と名づけた。獣医さんに駆け込んだが、一週間目に相棒に看取られながら天国に逝ってしまった。

               

              3番目に私が発見したのは、小さな三毛猫で暖かな春の日、道路のど真ん中で寝そべっていた。もう死んでいるのかと思ったが、呼ぶとムクッと起き上がる。道路の真ん中では車にひかれてしまうので、横に寄せたが又寝そべるので仕方なく保護。

               

              やせている他は病気もなさそうなので一安心。しかし栄養不良で足もとがおぼつかない。フラフラしているので「フラ」と命名。人なつこい猫なので、きっと迷い猫にちがいないということになり、フラちゃんの写真を撮ってビラを作り、近所の電柱など数ケ所に貼ってみた。

               

              数ヶ月たち、ビラも剥がされボロボロになった頃、一本の電話。フラちゃんの飼い主からだった。フラちゃんは我が家に数ヶ月逗留し飼い主のもとへ帰っていった。ハッピーエンドのケースであったが、間もなくして「死んだ」という知らせを受けた。今ツブラとポストは調布の動物霊園で眠っている。

               

              統計によると18万匹の犬猫が、毎年殺処分されているという。この世の中から一匹でも野良猫や野良犬がなくなるように人間は責任を持って飼ってほしい。ブランド犬や猫を買うのなら一匹でも保健所に行く犬猫たちを助けてやって欲しいと思うのは私だけだろうか。地球は人間だけのものではなく、全ての生き物のためにあるのだから。

               

              文:吉田千津子 写真:奥村森

               

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              行列好きな日本人

              2016.12.21 Wednesday 10:20
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                南大沢日記

                 

                 

                行列好きな日本人

                 

                Farmers Market Los Angelesファーマーズ・マーケット ロサンゼルス

                Farmer's Market Los Angeles ファーマーズ・マーケット ロサンゼルス

                 

                ラジオをきいていたら大崎にある有名ラーメン店が、大繁盛を理由に閉店するという。とても変な話なのでよくよくきいてみると、毎日沢山の客がつめかけ長蛇の列ができる。待ち時間が1〜2時間は普通、近所からは「喧しい、タバコをポイ捨てして道路を汚す」など店に苦情が相ついだことが原因だという。

                 

                それにしても日本人は行列をして待つのが好きらしい。炎天下でも木枯らし吹きすさぶ冬でも。デパ地下でもよく行列を目にする。その先には焼きたてのパン、作りたてのケーキ、限定品の食品などがある。

                 

                私の義理の妹は長い行列を見つけると必ず並ぶのだという、先に何があるのか分からなくても、まるで食料事情の悪い国のようだ。私も食べることは大好きだが、長蛇の列なら他に行く。また次の機会でも別にかまわないからだ。

                 

                長年住んでいたロスアンゼルスでは、日本で見るような長蛇の列をレストランでは見たことがなかった。週末は何処のレストランでも平日より大勢の客が詰めかけるが、待つのはレストラン内(椅子が備え付けてある)かレストランに併設されているバーで何かを飲みながら待つ場合が多い。

                 

                しかし、最近異変が起きている。ロスアンゼルス郊外のアルカディア(中国人のビバリールズと呼ばれている)の中華レストランの状況はちょっと違う。土、日曜日ともなると日本と同じように長蛇の列がレストランの外まで伸びている。1時間待ちも、ものともせずに並んでいる。

                 

                日本人と中国人に共通するアジア人特有の忍耐強い性格が行列をつくらせているのかもしれない。そういえば、私はとてもせっかちなので行列アレルギーである。行列に並ぶべきか否かは私にとっては問題ではない。

                 

                文:吉田千津子 写真:奥村森

                 

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                日米デジタル事情

                2016.12.21 Wednesday 09:03
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                  南大沢日記

                   

                   

                  日米デジタル事情

                   

                  Hollywood ハリウッド

                  Hollywood ハリウッド

                   

                  2011年7月、アナログテレビが全てデジタル化された。我家のアナログテレビには、葬式写真のような黒枠が出来ていた。コマーシャルの時は以前のように見えるのだが、番組が始まると急に画面が小さくなった。

                   

                  何しろ我家のテレビは、14インチでおまけに二人とも目が弱ってきているので大変見えにくい。テレビが壊れたのかと一時思ったが、ラジオでアナログ化促進のため黒枠を付けているのだと知った。その黒枠の上下に、毎日しつこく「このテレビは来年7月には見られなくなります」とテロップが流れる。

                   

                  一足先にデジタル化に踏み切ったアメリカはこうだった。ロスアンゼルスに住む友人アリスに聞いてみた。アリスのテレビは未だアナログだったが、買い換えることなくチューナーを付け観ることが出来た。

                   

                  アメリカ政府はデジタル化移行の前年に、チューナー購入のため、60ドルの小切手を全国民に送付したという。不届き物は、そのお金を生活費に使った輩もいたらしい。勿論新しいテレビを買った人もいるが、まだ使えるアナログ・テレビを無駄にせずチューナーを設置するだけで十分なのである。

                   

                  日本政府は、ほとんどチューナーのことを説明もせずに「エコポイントが付きます、早く新しいデジタルテレビの購入を」と騒ぎ立てていた。新しい物を買って、どんどん古い物を捨てるアメリカ消費文化は今、日本社会がそのお株を取ってしまっているように感じる。ゴミ集積場にテレビの山が出来ていたに違いない。エコポイントで反エコロジーな現実が見えてくる。

                   

                  文:吉田千津子 写真:奥村森

                   

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                  盲導犬

                  2016.12.21 Wednesday 08:41
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                    南大沢日記

                     

                     

                    盲導犬

                     

                    Dog 犬

                    Dog 犬

                     

                    京王線南大沢駅は、都心から遠いので身体の不自由な人やお年寄りにとっては席に座らないと厳しい。車両には「おもいやりゾーン」があり、こういう人たちのために優先席が用意されている。

                     

                    帰路につくため乗車したのは夕刻だった。中高生の下校時間と重なったのでかなり混んでいた。僕は、新宿から間もない明大前駅から乗車したので優先席に座ることができた。優先席は行儀よく腰掛けると4人は座ることが出来る。調布駅で横にいた2人が下車、代わりに男子高校生が、その場所に1人で2席を独占して座った。

                     

                    茶髪の彼はパンツが見えるほどズボンを下げ、胸をはだけ、大股開きで足を組んで座った。近くの乗客は関わると厄介だから見てみぬふりをしている。

                     

                    途中駅から盲導犬(白いラブラドール)と目の不自由な外国人女性が乗車してきた。盲導犬は彼女を素早く「おもいやりゾーン」に誘導した。僕が席を譲ろうと思った、その瞬間、男子生徒の前に座り、組んだ足に前足で3度、ポン、ポン、ポンと触れた。

                     

                    周りの乗客は、固唾を呑んで見守っていた。寝たふりをしていた高校生はしぶしぶ席を立った。外人女性が「サンキュー」とひとこと言うと、高校生はバツが悪そうに去っていった。

                     

                    もし誰かが、その青年に無理やり席を立たせていたら、恐らく喧嘩になっていただろう。相手が犬ではどうしようもない。僕は、的確な判断をする盲導犬の素晴らしさに感動した。

                     

                    文と写真:奥村森

                     

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                    友人の死

                    2016.12.21 Wednesday 07:02
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                      南大沢日記

                       

                       

                      友人の死

                       

                      Prayer 祈り

                      Prayer 祈り

                       

                      2010年7月、友人で編集プロダクションを経営していた佐藤珠樹さんが亡くなった。享年49歳、あまりに短かい人生だった。この年の4月に掛かりつけの医師に勧められ、精密検査を受け末期癌であることが判明、その直後に電話をもらった。

                       

                      「あの〜、やばいことになりました」

                      「どうしたの」

                      「え〜、癌を宣告されました」

                       

                      僕は直ぐに会社に駆けつけ、佐藤さんの気もちを少しでも和らげることが出来ればと考えた。そして進行中の仕事を健康状態が安定するまで代役できないものかと伝えた。彼のショックは大きいようだったが、いろいろのことに平静を保とうと努めているのがわかった。

                       

                      間もなくして佐藤さんは、南大沢にあった僕のマンションを訪ねてきた。これまでも何度か家に泊まり、近くのスーパー温泉でストレスを発散させるのが慣習だった。その日、夕暮れの露天に置かれる畳に二人で裸で寝ころびながら人生や仕事について語り合った。

                       

                      僕も4年前に癌を宣告された経験があった。その頃の気もちを佐藤さんに伝えた。「癌と知って衝撃は受けたけど、僕も波乱万丈の人生だったから、これで死ねるのなら楽になれるとも思ったなあ」。

                       

                      「・・・・、僕にもそれはありますね」

                      「入院で病室が一緒だった患者は、どこか達観していた。だけど、生きることを諦めてるようにも見えた。そんな中で生還したのは、医師と患者が信頼しあって二人三脚で病気に立ち向かった人だけだよ」

                      「・・・、そうでしょうね」

                       

                      その後、佐藤さんはいろいろな病院を訪れ医師の診断を仰いだり、インターネット情報を収集していたが、入院に至ったのは6月末となぜか遅れた。その間、電話やメールのやりとりでは「元気です、奥村さんは大丈夫ですか」と自分より人を気づかうのであった。

                       

                      これまでの仕事を振り返っても、クライアント、カメラマン、ライター、デザイナーなどの我がままを一手に引き受け、怒ることなく我慢を重ねて仕事を貫徹するのが佐藤珠樹さんの誰にも真似ることの出来ない凄さだった。

                       

                      末期癌を宣告されても、病床中の父親や社員の今後を心配して全力を尽くしていた。「こんなに優しい人をどうして神様は召してしまうのか」そう思ったが、再起の表情を眺めると穏やかで一点の曇りもなかった。

                       

                      僕は、佐藤珠樹さんの生涯は幸せだったと信じることにした。そして、彼の天命は短かったけれど、僕は長生きして彼の分まで生きることを誓った。

                      「佐藤さん、有難う。僕が君のところに行くまで待っていて下さい。また、温泉に行こうな」。

                       

                      文と写真:奥村森

                       

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                      泣き面にカラス

                      2016.12.20 Tuesday 14:18
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                        南大沢日記

                         

                         

                        泣き面にカラス

                         

                        イメージ

                         

                        2010年7月は、ムシムシとした暑い日が続いた。杉並にあるカルチャーセンター、松庵舎で写真教室を終えて井の頭線・三鷹台駅へと向かっていた。

                         

                        疲れきっていたのでうつむいてヨロヨロと歩いていると、突然頭のてっぺんに「ビシャ」コップ一杯ほどの液体が降ってきた。初めは何が起きたか理解できなかったが、しばらくすると悪臭が漂い、鳥に小便をかけられたのだとわかった。

                         

                        上方を見渡したが、もうそこに犯人の姿はない。これだけの分量から察すると、恐らくカラスの仕業に違いない。悪気はないのだろうが、カラスが人の迷惑など考えるはずもない。最近は、カラスにも劣る人間が増殖している。

                         

                        人の好意を無にして、平気で後ろ足で砂をかけるやからがなんと多いことか。ある意味カラスより悪質である。「あ〜あ、カラスにまで馬鹿にされるとは情けない、泣きっ面にカラスのション便」である。

                         

                        文と写真:奥村森

                         

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                        八王子市鑓水

                        2016.12.20 Tuesday 10:42
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                          南大沢日記

                           

                           

                          八王子市鑓水

                           

                          Mt.Fuji 富士山

                          八王子市鑓水

                           

                          今は宝塚に移転したが、2009年から2013年までは、東京都八王子市鑓水で暮らしていた。京王線南大沢が最寄駅である。以前は日野市に住んでいた。引越の手間や費用を考えると近場が良いと思ったからだ。転居を決めてから、日野市周辺の不動産屋を次々と訪ねて物件を探した。しかし、条件に適した物件は、なかなか見つからなかった。

                           

                          僕は、カメラマンの仕事をしているから機材が多く、通常サイズのマンションでは荷物の隙間で暮らす生活を強いられる。ある日、情報誌を何気なく見ていると広いマンションが掲載されていた。URが管理する南大沢周辺の物件だった。すぐに現地案内所を訪ねることにした。案内所は、南大沢駅から巨大なアウトレットを通り抜け、首都大学付近の美しい桜並木沿いにあった。

                           

                          これまで訪ねた不動産屋は傲慢で入居者を客とも思わぬ姿勢が際立っていた。だが、ここは違う。親身に入居者の立場で相談に応じてくれた。幾つかの物件を見て、10階にあるマンションに決めた。天気のよい日なら、ベランダから富士山や丹沢の山々が望めるのが嬉しい。近くには2つのスーパーがあり歩いて2分の場所にあるから、とても便利だ。

                           

                          マンションは多摩丘陵にあり、猛暑でも避暑地のような涼しい風が通り抜け、エアコンを使うことはめったにない。小山内裏公園など自然豊かで、毎日の散歩が楽しかった。

                           

                           

                          文と写真:奥村森

                           

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